ITIL® 4への変更に対処する方法とその理由

ITIL® 4への変更に対処する方法とその理由

 

私たちはITIL® 4への変化に前向きですが、時折そうではない方がいらっしゃいます。

変化への抵抗は人間の本質であり、それは、単純な抵抗から消極的な態度、徹底的なサボタージュまで、さまざまな形で現れます。組織が新しい技術の時代を乗り越えるのに役立つITIL®の最新バージョンであるITIL® 4の導入までたった数週間ですが、トレーニングを成功させ、組織内にITIL® 4をうまく導入するためには、この抵抗をうまく管理することが欠かせません。

 

なぜITIL® 4へのアップデートが必要なのか

ITIL®アップデートの要因は、2007年にITIL® V3がリリースされて以来、私たちの周りの世界、私たちの仕事の進め方、そして私たちのビジネスの運営の仕方が大きく変わったことにあります。ITIL® 4は、リーン、アジャイル、DevOpsそしてクラウドコンピューティングのような新しい働き方を取り入れて新しいレベルのITとサービス運用をもたらします。ITIL® 4は、従来のプロセス中心のサービス提供から、より速く、高品質で価値主導のデリバリーに移行します。これは大きな変化であり、容易には受け入れられないかもしれません。

 

なぜ人は変化を恐れるのか

人間は習慣の生き物です。それに何も悪いことではありません。実際に習慣によって、私たちの生活をはるかに暮らしやすくします。例えばあなたの毎日の通勤について考えてみましょう。非常に簡単に、かつもっとも楽なルートを想像できると思います。では次に、新しく来た場所で、狭い道や忙しい街を走りながら、目的地を見つけようとしている様子を想像してみてください。これは習慣的ではありません。シンプルな例えですがこれが習慣であって、私たちは変化を提示されると、不安になって、自制心を失うかもしれない、仕事が増えるかもしれない、自分の能力について自信がなくなるなど、変更を受け入れられない様々な理由を思い浮かべてしまいます。

基本的に、実害が発生する可能性があるため、変化に対して抵抗が生まれます(仕事が無くなったり、過去の投資が無意味になったり)。ITIL® 4の導入は、世界中の何十万もの人々に影響を与える変化です。正しく対処をしなければ、抵抗は何ヶ月も続き、望んだ効果とは真逆の問題を引き起こす可能性があります。

 

個人はどのように変化に反応するのか

私たちは皆それぞれ異なる個人ですが、1960年代のElisabeth Kübler-Rossによる研究では、変化と対峙したとき、ほとんどの人々が同じ感情の状態(5段階の悲哀とも呼ばれる)を経験します。Kübler-Rossが提唱したのは、もともと悲哀のモデルでしたが、導入以来の数年間で、マネジメントにも適用されるようになりました。

 

5つの段階は次のとおりです:

 

<ショックと否認>
人々は、情報の不足、「間違ったことをしているのではないか?」「愚かに見えるのではないか?」という恐怖心、現状に満足しているという理由で、より好ましく見える現実に固執します。

──「仕事の仕方は何も変わっていないので、新しいバージョンのITIL®は必要ありません。」


<怒り>

人々はイライラして、組織、グループ、個人の形で、責任を負う人やスケープゴートを探します。

──「ITIL® 4はレベルが高すぎる!うちの組織でこれを使用することはできません。」

 

<取引>

人々は変化を避けようとする。

──「もっと時間をいただければ、私たちはITIL® V3をこの時代に合わせて機能させることができます。」

 

<抑うつ>

人々は変化が実際に起こっていることにようやく気付き、それについて彼らができるものは何もないと考えます。自分自身をグループから切り離して孤立してしまうこともあります。

──「なんでITIL® 4を気にしなくちゃならないんだ。それに何の意味があるんだ?」

 

<受容>

そして最後に、人々は実際にそれに備えなければならないことに気付き、そして変更が完了するまでの間に苛立ちさえ感じるかもしれません。

──「まあ、悪くないね。私も少し勉強してみよう。」


抵抗を恐れないで、
抵抗を管理して形作っていこう
新しい方法論の導入は、新しいプラクティスを定義し、新しいツールと技法を実装することに留まりません。変更を慎重に管理する方法を理解することが重要です。正しい知識を身につけることで、問題が発生する前にその問題を確認し、最も抵抗の少ない方法でプロセスを導くことができます。

 

次のように5つの段階を管理できます:

 

<ショックと否認>

なぜ変更が行われているのか、そして彼らにどういうポジティブな影響があるのかを理解してもらう。 トレーニングの提供はここで混乱に陥る可能性があります。個々人の目的を考慮し、彼らの異論に対応できるようにします。

 

<取引>

この段階では時間を取って、彼らの提案内容を聞きましょう。ここまで来たら、彼らはITIL® 4を受け入れる可能性が高いです。

 

<抑うつ>

前向きで刺激的なトレーニングを提供します。

 

<受容>

ここまでたどり着きました。目標を繰り返して強化し続けてください。

 

 

まとめ

ITIL® 4 FoundationのTrain the trainerセッションでも、否認と怒りの段階で予想されるのと同様の質問をいただき、講師の中でもある程度の抵抗を感じていらっしゃる方がいたのを感じました。

講師や組織は、トレーニングの実施後にこれらの変更を慎重に管理することの重要性を認識することが大事です。これは、Organizational Change Managementと呼ばれる特定のプラクティスとしてITIL® 4でも定義されています。

 

January 11, 2019
著者:Marcel Foederer

 

As an IT Service Management trainer, consultant and line manager with over twenty five years experience in IT, Marcel has performed strategic and tactical assignments in a wide variety of areas. His experience includes project and program management including process design, product management, requirements analysis and training delivery related to the IT Service Management international best practice, in both the private and public sectors on a global scale. His area of consulting expertise is in advising organizations on IT Service Management, based on ITIL® (IT Infrastructure Library) best practices, and in the management of these initiatives to improve organizational and operational efficiencies and service delivery quality. He also excels as an experienced facilitator, trainer and lecturer. He is committed to the successful delivery of total solutions to his client base, achieved through respect for the management of change issues involved in the resulting integration of people, process and technology.