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【ITIL® 4の新資格「PM」の「MSF」がわかるセミナー動画・Q&A公開】ITIL® 4の世界 プラクティス・マネージャー・MSF編 ~堅実かつスピーディな最新のIT運用を実践したい!~

2024.3.18

ITプレナーズは2024年3月5日に、セミナー「ITIL® 4の世界 プラクティス・マネージャー・MSF編 ~堅実かつスピーディな最新のIT運用を実践したい!~」を開催しました。

本セミナーではITIL® 4に新しく登場した「ITIL® 4 プラクティス・マネージャー(PM)」の全体像と、PMの中の一つであり、2024年の上半期に試験が日本語化予定の資格「ITIL® 4 プラクティス・マネージャー:Monitor, Support & Fulfill(MSF)」について詳しく解説しました。

当日の質疑応答パートでは、参加者の皆様からPMやMSFに関するたくさんの質問が寄せられました。セミナーのアーカイブ動画と、当日お応えできなかったご質問を含め、質疑応答の内容をご紹介します。

セミナーのアーカイブ動画

セミナー中に寄せられた質問への回答

PMおよびMSFの研修受講・認定試験受験について

——「ITIL® 4 スペシャリスト:作成、提供およびサポート(CDS)」も受講・資格合格することが、PM受講の前提となりますか?

MSFを受講されるには、「ITIL® 4ファンデーション」の資格取得が必要になります。CDSの研修受講、資格取得は必要ございません。ただし「ITIL® プラクティスマネージャー(PM)」として認定されるためには、CDSの資格取得が必要です。

 

——「ITIL® 4 マネージングプロフェッショナル移行(MPT)」経由で既に「ITIL® マネージングプロフェッショナル(MP)」を取得している場合にも、PM系コースを受講する場合には、まず「ITIL® 4ファンデーション」の取得が必須となりますか?

MPT経由でMPに認定されている場合は、「ITIL® 4ファンデーション」の取得は不要です。

 

——MSF試験はまだ日本語化されていないと聞きました。ITプレナーズで開催予定の5月20日~22日の研修受講直後に試験を受験する場合、英語でしか受けられないのでしょうか?

最初に試験提供元から公表された試験日本語化の予定は2024年3~4月となっていましたが、2024年3月現在「2024年上半期(6月まで)にリリース予定」と修正され、詳しい日程が公表されておりません。

そのため、現時点では5/20の試験が日本語で提供されるのかはっきりとした回答が出来かねる状況です。引き続き確認しておりますので、情報の更新がありましたら改めてご案内させていただきます。

 

——昨年MPTを受講した際に「資格の有効期限が設定されたが無くなる予定」と伺っていました。現在はどのような状況でしょうか?

2023年5月29日にPeopleCert資格更新制度に関する変更があり、3年を過ぎても(有効期限が切れても)上位資格の受験資格は失われず、いつでも受験可能となりましたのでご安心ください。

※詳しくは下記のページをご参照ください
https://www.itpreneurs.co.jp/news/itil4renewal_update

プラクティスガイドについて

——プラクティスガイドとは何でしょうか?

プラクティスガイドは、各プラクティスごとに作成されている書籍(PDF版)です。たとえばインシデント管理のプラクティスガイド、サービスデスクのプラクティスガイドなど、34個のプラクティスガイドが存在します。各プラクティスに関して目的、主要な概念、プロセス、組織構造やスキル、利用可能なツールと情報、パートナとサプライヤの参画の仕方、プラクティス成功要因、成熟度モデルなどがまとめられているものです。

現在は、AXELOS公式ポータル「My Axelos」より英語版のダウンロードが可能です。

 

——プラクティスガイドの日本語版はリリースされていますか?

日本語版はリリースされておりません。(2024年3月現在)

MSFの内容について

——MPTの研修を受講した際、「システムは複雑化しており、根本原因を探ることが不可能なケースが多い」といった旨の説明がありました。そのため、ITIL® 4では問題管理よりもインシデント管理を重視するイメージを持ちましたが、実際のところどうでしょうか?

【石ヶ森講師より】そうでもありません。ITIL® 4では、すべてのプラクティスを同等に重視しています。旧バージョンでは、イベント管理はコア書籍内の言及も少なくそれほど重視されていない印象を受けましたが、ITIL® 4のプラクティスガイドでは、各プラクティスの説明に同じくらいのページ数が割かれています。

——34個のプラクティスガイドは、「初版(2020年頃に作成)の後に2023年版が作成されたもの」と「初版のみ存在するもの」がありますが、MSF資格はどちらがターゲットになりますか?

2023年版がターゲットになります。

 

——「ITIL® マネージングプロフェッショナル(MP)」と「ITIL® 4 プラクティス・マネージャー(PM)」の位置づけの違いを端的に言うとどうなりますでしょうか?

マネージングプロフェッショナル(MP)は、ITIL® 4が採用している考え方や、主要な道具立てを説明しており、どちらかというと概念的な内容です。MPでは、プラクティスを参照する程度です。プラクティスマネージャ(PM)はプラクティスの内容を詳細に説明することを目的としたものであり、MPよりも現場にすぐ取り入れやすい具体的な内容となっています。ただし、MPで説明している考え方は、PMの内容をより深く理解するために有用です。

 

——TIPAのアセッサ、リードアセッサ(ITILの成熟度評価)と、ITIL® 4のプロセス成熟度評価とは何らかの関係があるのでしょうか?

端的に言うと関係性はありません。TIPAはITサービスマネジメントプロセスの成熟度をアセスメントする手法としたものですが、旧バージョンであるITIL® V3の内容をベースとしており、現在提供されているITIL® 4には対応していません。また、TIPAはITIL®提供元のAxelosや以前のITIL®所有者であった英国政府ではなく、第三者機関であるTudor社が製作したものです。ITIL®4では、公式の成熟度評価が追加されています。

学習計画について

——お客様のシステム保守を担当するメンバーで「ITIL® 4ファンデーション」の取得を進めています。この後のスキルアップとしては、領域(サービスデスク、サービスデザインなど)別のリーダー層メンバーにPMを取得させ、マネージャ層にはMPを取得させるのが良いと感じました。その考え方で合っていますか?

【石ヶ森講師より】おおむね合っていると思います。また、MPおよびPM認定の必要条件の一つであるCDSは、実務者の方にもぜひ受けていただきたいです。MSFをはじめとするPMシリーズは、とくに実務に取り入れやすいとご紹介しましたが、あくまでITIL®は管理プラクティスであるため、管理者の方にも受講いただくことを強くおすすめします。


「ITIL® 4 プラクティス・マネージャー:Monitor, Support & Fulfill(MSF)」は、複数の研修会社様でお取り扱いいただいております。

提携企業一覧から、自社で推奨される研修会社をお選びいただき、それぞれの研修会社のウェブサイトにてお申し込みください。提携企業がない場合は、お気軽にITプレナーズまでお問い合わせください。

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