事例紹介

ITプレナーズ15周年記念インタビュー
ITIL®を社内の「共通言語」に、自社サービスのさらなる価値向上を目指す

さくらインターネット株式会社様
研修事例
2021.10.29

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックは、2006年よりコンテンツプロバイダーとしてたくさんのお客様にITマネジメント研修のサービスをお届けし、2021年で創立15周年を迎えました。15周年特別企画インタビューとして、2019年より研修を実施いただいているさくらインターネット株式会社の布川さんにお話をうかがいました。

布川 明男さん
さくらインターネット株式会社
社長室 TQM(トータル・クオリティ・マネジメント)推進チーム


お客さまのニーズに合わせ、クラウドコンピューティングサービスを自社運営の国内のデータセンターを活かし提供するさくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)。「『やりたいこと』を『できる』に変える」の理念のもと、あらゆる分野に対応するDXソリューションを提案しています。

ITプレナーズでは2019年より、ITILをはじめとしたさまざまな社内研修の企画・運営に伴走しております。

社長室 TQM(トータル・クオリティ・マネジメント)推進チームに所属し、全社のサービス改善推進に取り組む布川さんに、研修実施前に感じていた課題、研修の様子、受講後の成果について振り返っていただきました。

業務の属人化を脱し、サービスの改善プロセスを可視化したかった

― 布川さんの担当業務について教えてください。
布川さん

さくらインターネットが提供する、サービスの継続的な改善や価値の向上を目的とした活動の推進を行っています。ITIL® 4ファンデーション研修やフォローアップ研修などの企画運営も担当しています。

― 研修実施前には、事業や組織においてどのような課題を感じていましたか?
布川さん

お客様へさらなる価値提供を目指す上で、サービス改善のプロセスにおいていくつか課題がありました。各事業それぞれのチームで業務が属人化してしまっていたり、業務フローがきちんと可視化されていなかったりすることから生じていたんです。
そのため、会社全体の連携強化を目的として「共通言語」としてITIL® 4を社内に普及させたいと考えていました。

― そのような背景があり、「ITIL®プラクティショナ」と「ITIL® 4 ファンデーション」の2つの研修を導入いただいたのですね。
布川さん

実は以前、他の研修会社で個人的にITIL® V3を受講したことがありました。ですが、「実際の業務にどう活用していくか」という観点では、この資格を取得するだけでは足りないのではないかと感じてしまったんです。
そのため、社内での研修導入にあたっては、より実務に応用しやすい「ITIL®プラクティショナ」と「ITIL® 4ファンデーション」を採用しました。

単なる「資格取得のため」ではない、実務に活きる研修内容が魅力

― 布川さんご自身がITプレナーズの研修を受講した際の率直な感想を教えてください。
布川さん

2つの点から、研修の魅力を感じました。1つは、講師の方の説明のわかりやすさです。講師としてのキャリアが豊かなことに加えて、会社経営などの実務経験も豊富だからこその説得力があると思いましたね。

もう1つは、演習の時間もしっかりと用意されている点です。座学と演習のバランスがとても良いので、聞いているだけではなく考える機会も多く持てました。単なる資格取得の目的に留まらない、実践的なスキルを習得できる研修だと感じます。

― 知識をインプットするだけではなく、演習部分にも魅力を感じていただけたのですね。
布川さん

そうですね。自分の頭で考える場面がたくさんあり、受講後には心地よい疲労感を得られました。その時は公開講座に参加したので、演習で他社の受講者との交流がある点も良かったです。「さくらインターネットのサービスを利用しています」とお声がけいただく場面もあり、日々の業務へのさらなる刺激にもなりましたね。

― 御社への研修導入以降、受講生への効果や社内での良い影響はありましたか?
布川さん

ITIL®の知識が役に立ったという声は、社内でたくさん聞いています。
ITIL®を業務に適応して、改善する取り組みを実験的にスモールスタートで始める「最初の一歩」という活動をしています。その結果を共有する会を部署横断で半年に1回開催しており、そこで多くの社員から具体的な成果を聞けました。

たとえば、アジャイル開発のプロジェクトに参加している社員からは、振り返りや、イテレーションを回す中での方向転換にITIL® 4が役に立ったという意見がありました。
また、社内に複数混在している業務ツールの統合を試みるプロジェクトでは、複雑かつ広範囲なステークホルダーのマネジメントにITIL®の考え方が活きたという声がありました。
他にも、業務の属人化の解消や、誰が何をしているのかわからない業務プロセスやフローの可視化にも、ITIL® 4が役に立ったという成果も共有されました。

― 社内でITIL®を活用した改善の取り組みがさらに広まっているのですね。
布川さん

やはり、お客様にしっかりと価値を届けられないサービスでは意味がありません。ITIL® 4では、最初に直接の顧客だけでなく顧客のエンドユーザーを含む「顧客の概念」や、「価値共創」の重要性を学びます。
それぞれの部署およびチーム内に多種多様な悩みや課題がありますが、サービス提供における根幹の考え方を知ることで、同じゴールに共に向かえるようになりました。それが良い改善の取り組みにつながっていると感じます。

ITプレナーズはサービスの価値向上に共に取り組む「パートナー」

― ITプレナーズに感じていただけている魅力はどのような点にありますか。
布川さん

最初は、「ITIL®の研修会社」というイメージが強かったのですが、実際にはITサービスマネジメント全般を幅広くカバーされていますよね。最近だとアジャイルやDevOps、DXの支援も手掛けられていて、非常に心強いと感じます。

また、きめ細やかなフォローアップをしていただける点も大きな魅力です。セールス担当の方にはいつも大変お世話になっています。これまで、ITIL® 4の研修だけでなく、社内向けのウェビナー開催や他の研修企画にも携わっていただきました。

他にも、さくらインターネットがお客様にさらなる価値を提供するために何をやっていくべきか、私がまだうまく言語化できていない課題や今後の構想についても的確なアドバイスをいただけます。単なる研修の依頼元と依頼先という関係を超えて、「協働」のパートナーとして弊社に欠かせない存在ですね。

― サービスの改善推進における今後の展望と、ITプレナーズに期待することをお聞かせください。
布川さん

今後は、さくらインターネットだけでなくグループ会社も含めた「共通言語」としてITIL® 4を広めていくことを目指します。グループ全体でサービスの改善と価値向上に取り組みながら、新規プロジェクトを立ち上げる際にも実現しやすい土台づくりを行っていきたいと思います。

ITプレナーズには、そういった体制構築や人材育成の面で引き続きご相談に乗っていただき、今までチャレンジしたことのない取り組みにもぜひ一緒に挑戦いただきたいですね。

お客様情報 - さくらインターネット株式会社

■ 事業内容:インターネットへの接続サービスの提供、インターネットでのサーバの設置およびその管理業務、インターネットを利用した各種情報提供サービス業務、電気通信事業法に基づく電気通信事業、マルチメディアの企画ならびに製作・販売、インターネットに関するコンサルティング、コンピュータソフトウェアの企画・開発およびその販売、コンピュータおよびその周辺機器の製作および販売・保守、不動産の賃貸および管理
■ 本社所在地:大阪府大阪市北区梅田1-12-12 東京建物梅田ビル11階
■ 設立年月日:1999年8月17日
■ 資本金:22億5,692万円
■ 従業員数:連結 706名 (2021年3月末)
■ ウェブサイト:https://www.sakura.ad.jp/


※取材は2021年9月に行いました。

ライター: Yui Murao