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挑戦がつながる、学びが広がる。スクラムフェス三河2025参加レポート

2025年9月5日~6日にオンサイト・オンラインで同時開催された「Scrum Fest Mikawa 2025」に、ITプレナーズはsilverスポンサーとして参加しました。

当日は、三河出身で実行委員を務める社員のほか、計3名が現地参加しました。

例年、製造業が多く集まる地域ならではの特色が強いスクフェス三河ですが、今回は「ものづくりを実践する人たちの新しい挑戦が生まれる場」として、製造業に限定しないテーマで開催。多様なトピックのセッションや、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者が集まり、それぞれの挑戦や学びを共有する場となりました。

印象的だった出来事・セッションや、実行委員視点での学びや気付きをレポートでお届けします!

 

Day1

なんとこの日は、台風15号が日本列島を直撃。オンラインチャットには、関西や関東など各地から「新幹線が動かない!」「いつ到着できるんだ…!?」と阿鼻叫喚の声が飛び交いました。

それでも、運行状況や予約変更のコツを教え合ったり、列車待ちの間にオンラインしりとりが始まったりと、不測の事態を前に参加者が適応し、時にはトラブルさえ楽しんでいる様子が印象的でした。無事に現地入りした皆さん、本当にお疲れさまでした…!

幕開けのキーノートは、名古屋大学教授の高田広章先生による「リアルタイムOS研究開発30年の歩み」でした。

リアルタイムOSや車載組込みシステムの研究を牽引し、オープンソースOS開発プロジェクト「TOPPERS」を主宰するなど幅広い実績を持つ高田先生。今回の講演では、30年以上にわたる活動を振り返り、ロケットへのOS搭載やベンチャー企業立ち上げといった経験を通じて得られた、プロジェクト運営や技術開発の知見について紹介されました。

宇宙機向けプロセッサで利用するための、リアルタイムOSをTOPPERSをベースに約10年かけて開発し、その打ち上げにも立ち会われたそうです。OSの開発開始から実際に宇宙に飛び立つまでの10年という道のりは、胸の熱くなるお話でした。

さらに印象的だったのは、高田先生ご自身がとても楽しそうに語られていたことです。リアルタイムOSの黎明期を知っている方、組込みシステムに慣れ親しんできた方にとっては当時の興奮が思い出されるようなお話で、一方これまであまり馴染みのなかった方にとっても新しい世界を知る大きな学びの機会となっていました。

キーノートのあとは、ネットワーキングパーティーとなりました。
美味しい食事とお酒を囲みながら、多くの方との交流を楽しむことができました!

 

Day2

当日、現地で視聴して特に印象的だったセッションをご紹介します!

「ふりかえり手法を試そう!」で始めるギャザリング体験~初めましての人あつまれ!~

90分の中で、グループメンバーを入れ替えながら「ふりかえりカタログ」に掲載されている手法を4セット分チャレンジするワークショップです。

自己紹介では「スクラムフェスへの参加自体が初めてです!」という方も多く、朝一番にこうしてさまざまな人と交流できる場があるのはとてもありがたいと感じました。実際に取り組んだ手法はどれも初体験で、その点でも学びが大きかったです。

最後には「この手法はアイスブレイクや雑談にも使えそう」「自チームでいきなり新しい手法を試すのはためらうので、体験できてよかった」といった感想を共有でき、学びをさらに深められたように思います。

 

メンバ-全員が主体的に提案しまくってくれるように成功体験と一緒に「失敗体験」も繰り返そう


このセッションで一番の学びは、「主体性を持って!」と働きかけるのではなく、“試行件数を増やす”という具体的なアクションに落とし込み、挑戦の文化を育てていく大切さでした。成功だけでなく失敗も含めてチャレンジの回数を可視化する仕組みづくりが印象に残っています。

また、本人にとっては当たり前の工夫でも、周りから「いいね!」と声をかけてもらうことで初めて自分の成果に気づけるため、メンバー同士での称賛を心がけているとのこと。その小さな承認の積み重ねが、失敗を恐れずに提案や改善に動きやすい空気を作っていくのだと感じました。この点はすぐに取り入れられそうなので、さっそく実践していきたいです。

 

お昼には、会場となった豊橋の老舗、壺屋さんのお弁当が振る舞われました。
豊橋と言えばうなぎ!ということでうなぎまぶしが大人気!私は手筒花火弁当をいただきました。とても美味しかったです!

その他に印象的だった点として、今回は情報保障の取り組みとして、発表内容がリアルタイムに自動で文字起こしされる「YYSystem」が試験的に導入されました。参加者からは文字起こしの精度が高いと好評で、会場やオンラインでの聞き取りを補助する仕組みとして高く評価されていました。

こうした挑戦を一つひとつ積み重ねながら、ボランティアの実行委員によって自主的に運営されているのがスクラムフェスです。無理をせず、自律的に継続していくという考え方は、まさにスクラムの「自己組織化」にも通じるものです。

こうした挑戦を重ねるイベントに、実行委員・スポンサー・参加者として関わることができ、とても嬉しく思います。ITプレナーズは今後も、コミュニティの仲間の一員として、共に学び、交流し合える場を支えていきます!