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アジャイルを学ぶ旅路を明るく照らしたい!「Agile Japan 2025」レポート

2025年11月13日・14日、「Agile Japan 2025」がベルサール新宿セントラルパークとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。

今年のテーマは「Reboot Japan」。
アジャイルに取り組むということは、常に変化を起こし続けることでもあります。そんなアジャイルに取り組む一人ひとりの挑戦・アクションは小さくても、それは日本をリブートさせる「変革の火種」になる、というメッセージのもと、現地会場とオンライン会場には、「変革の火種」を持つ多くの参加者が集まりました。

ITプレナーズは今年もシルバースポンサーとして参加。アジャイルを学び続けることを旅に例えた「アジャイル・ラーニング・ジャーニー」をテーマに、アジャイルを学ぶ旅の「旅先案内人」となるべくブースを構えました。
会場での交流やセッションからの学び、そして多くの共感を呼んだブース企画の様子をレポートします。

本記事は「AgileJapan – Qiita Advent Calendar 2025」の12月4日投稿分として参加しました。

 

「なんちゃってスクラムの沼」に旅人殺到!? アジャイル・ラーニング・ジャーニーの現在地

今回私たちのブースでは「アジャイル・ラーニング・ジャーニー」と題して、旅の地図のパネルをご用意しました。
この地図の中には、スタートとなる「アジャイル・ラーニング・ジャーニーの出発地」からみんなで素敵な景色が見られるという「価値共創マウンテン」を目指す途中に、アジャイル・スクラムにまつわるお悩みをイメージしたスポットや、今回のAgile Japanのテーマを表す「変革の火種」を囲むキャンプ場が描かれています。仲間のいない寂しいキャンプ地や、コラボレーションを阻む地割れなど、価値共創マウンテンを目指す旅の道のりは簡単ではありません。
そして、ブースを訪れてくださった方に「今の自分のチームや組織の現在地」だと思う場所に旅人のシールを貼っていただきました。

アジャイル・ラーニング・ジャーニー

アジャイルラーニングジャーニー出発の地 アジャイル仲間のいないさみしいキャンプ地 コラボレーションを阻む地割れ 前に進めない!変革を阻む壁 なんちゃってスクラムの沼 スクラムマスターを極める修行の地 目的地を見失うプロダクトオーナーの迷いの森

もしよかったら、記事をご覧になっている皆さんも、この地図の中の現在地だと思う場所をクリックしてみてください!
選んでいただいた現在地ごとに、今抱えているお悩みを明るく照らすライトがつくようなおすすめコースをご紹介します!

また、Agile Japanのブースで2日間皆さんに現在地を伺った結果がこちらです。

旅人でいっぱいになった地図!一番埋め尽くされているのが「なんちゃってスクラムの沼」

全体の旅人の分布を見てみると、多くの方がスタート地から旅立ってしばらく歩き続けてはいるものの、価値共創マウンテンまでの途中の道のり、特に「こんなはずじゃ…なんちゃってスクラムの沼」のあたりで留まってしまっている方が多いようです。Agile Japanが始まって15年以上が経ち、参加者の多くがすでにアジャイルを始めてみてはいても、道のりには以前としてお悩みが多いことがここからも読み取れます。

旅人シールを貼っていただきながら参加者の皆さんとお話していても、、「現場でスクラムを実践はしているけど、一部でウォーターフォール的な部分があり『なんちゃってスクラムの沼』にはまっている気がする」という声が多くありました。
一方で、「今まさに社内でアジャイルを推進すべく『変革の火種』を起こしています!」とキャンプ場に集う方も多くいらっしゃいました。「価値共創マウンテン」まであと少しです!

旅になぞらえて現在地を考えることによって、楽しみながらこれまでの歩みを実感し、現在地を再確認し、さらにこれから目指していきたい方向を見つめ直すことができたのではないでしょうか。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

印象的だった、プロダクトオーナーの迷いの森で倒れている旅人

ブースでシールを貼ってくださった旅人の皆さんには、アジャイルの旅路を少しでも明るく照らせるようにという思いで用意した「ライト」をお渡ししました。

今年もランチタイムに恐竜登場!?

ランチタイムには、ランチスポンサー「スパイスファクトリー株式会社」さんのご提供で、スパイスカレーが振る舞われました。

美味しいカレーでお腹を満たした頃、ITプレナーズのスポンサーブースに異変が!

今年も恐竜(に扮する弊社取締役・最上)が登場し、なんと株式会社永和システムマネジメント代表取締役社長平鍋さんとツーショットを撮っていただきました!
Agile Japan 2023のスポンサーLT以降、最上はAgile Japanで恐竜に変身しています)

そしてなぜこの2人でツーショットを撮ったのかというと、「福井と言えば恐竜!」……というのもありますが、12月に永和システムマネジメントさんとITプレナーズ共催で福井・東京を繋ぐハイブリッドイベントを開催するからです。福井・東京どちらも現地参加可能です。ぜひお申込ください!

スポンサーLTで変革の旅路に「明かり」を灯す

Day1の午後、弊社代表の岡本がスポンサーLT(ライトニングトーク)に登壇しました。
岡本とともにITプレナーズのメンバーが旅先案内人としてオレンジのバンダナを身に着け登場し、ブースでの「アジャイル・ラーニング・ジャーニー」の企画を紹介。また、なぜ今回ITプレナーズが旅先案内人をしているのかをお話ししました。
ITプレナーズのミッションは「ライトをつけて、変革を促す」です。「ライトをつける」には色々な思いが込められていますが、アジャイルを学ぶ旅の途中で課題にぶつかり、困っている人の旅路を、ITプレナーズの研修や現場支援サービスなどを通して明るく照らしていきたいという思いもあります。
それを楽しい企画に具現化したのが今回の「アジャイル・ラーニング・ジャーニー」でした。

 

AIがキーワードとなったキーノート

Day1のキーノートでは、安野貴博氏から「1%の変革が未来を創る」と題し、生成AIを用いたエクストリームなDXについて語られました。
東京都知事選でチームみらいが用いたDX事例として、AIを活用し多くの声を上手に収集する「ブロードリスニング」などが紹介されました。これまでは、一人の声を多数へ発信する「ブロードキャスト」が主流でしたが、双方向コミュニケーションを実現するべく「受信」をアップデートしたということです。これにより、みんなの意見を聴く、みんなで案を磨く、みんなに伝えるというサイクルを高速で回す「デジタル民主主義」を実現していました。
このように、新たなテクノロジーを活用してDXを推進するためには、既存のワークフローをそのままデジタルに置き換えるのではなく、いまある技術をどう使うと、新たな価値を作ることができるか、とゼロベースで考える必要があると言います。

続くDay2のキーノートは、和田卓人氏による「AI時代のソフトウェア開発を考える」でした。
「2025年の崖」として、様々な企業の基幹システムが保守性の観点で限界を迎えている中で、Vibe CodingをはじめとするAI活用によって、保守不能なシステムをより高速に構築する手段を得ていたことについて語られていました。
Vibe Codingは、コードが書けなくても自然言語で作りたいものが作れてしまうという点で非エンジニアには革新的ですが、レビューが追いつかない速度で負債やリスクも積み上げてしまう手段でもあります。だからこそ、エンジニアが目指すべきは「AIとソフトウェアエンジニアリングの融合」だと言います。その具体的な道筋として、「Agentic coding」という新たな概念が紹介されました。

そして2日間の熱気を締めくくったのは、Agile Japanの初代実行委員長である平鍋健児氏によるクロージングキーノート「Agile Japanで描くAI時代の私たち〜16年の軌跡からwith AIへのアップデート」です。
セッションは2部構成で展開され、第一部に「Agile Japanはどう始まったか」、第二部に「AIはAgileをどう変えるか」が語られました。
第一部では平鍋氏自身のアジャイル史とAgile Japanの歩みが語られました。日本におけるアジャイルの現在地、そしてAgile Japan 2025の熱気を形づくってきた、平鍋氏をはじめとする先駆者たちの積み重ねを感じるお話でした。もちろん、今のアジャイルには「うまくいっている」事例もあれば、難しい部分も多く、私たちはまだ道半ばにいます。そんな中で平鍋氏は、だからこそ歩みを止めず常に新しい一歩を踏み出すことの大切さを語りました。
第二部では、「AIはAgileをどう変えるか」として、スクラムのオープンエンドなプロセスにAIをどう組み込むかを中心に、SECIモデルなどを交えた平鍋氏の考察が紹介されました。そして最後は野中先生の言葉を解釈した平鍋さんからの「reboot!(野生を取り戻せ)」というメッセージで締めくくられました。

旅はまだまだ続く。私たちはいつでもあなたの旅路を照らします!

今年ブースでお話した方々は、人それぞれ沼にハマったり、壁に阻まれていたりと悩みを抱えていましたが、誰も暗い表情はしておらず、これからきっと良くなっていくという希望を持っているように感じました。だからこそ、Agile Japanは学んだり、想いを共有したり、仲間と交流する場として盛り上がっているのだと思いました。
私たちの「アジャイル・ラーニング・ジャーニー」が、アジャイルの旅路にいる皆さんにとって、現在地を再認識するきっかけとなれていたら幸いです。

そしてもし、アジャイルに取り組む中で沼にハマってしまったり、身動きが取れないと思ったら、いつでも私たちITプレナーズに声をかけてください。ライトを持った「旅先案内人」として、あなたの旅を明るく照らしていきます。

参加者の皆さん、そして登壇者、スポンサー、運営のみなさん、本当にありがとうございました!また次の「旅先」でお会いしましょう。

 

お悩み別!明るく照らすライトをつけるおすすめコース

地図の中の現在地だと思う場所をクリックしてみてください!