ITIL®の新バージョン「ITIL® (Version 5)」の発表について

2026.2.16

平素よりITプレナーズをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
2026年1月29日、PeopleCert社よりITIL®の新しいバージョン「ITIL® (Version 5)」について発表がありました。

公式発表:https://www.itil.com/Itil-News-and-Announcements/itil-version-5-explained
PeopleCert Japanによる発表:https://peoplecert.jp/event.html#v5

デジタルトランスフォーメーションが加速し、AIなどの新技術がビジネスの根幹を支える現代において、ITサービスマネジメントも新たな進化を遂げようとしています。ITIL®認定教育事業者(ATO)であり、これまで日本国内でのITIL®の浸透に深く携わってきた当社として、皆様が安心して人材育成を継続できるよう、現在公開されている情報および当社の見解についてお知らせいたします。

現在公開されている情報のまとめ(2026年2月16日時点)

1. 背景と主な変更点

  • ITIL® 4登場以降のデジタル変革の加速やAI技術の台頭といった劇的な環境変化に対応し、現代の組織がより速く価値を創出するためにITIL® (Version 5)へと進化しました。
  • ITIL® Version 5はITIL® 4のリプレース(置き換え)ではなく、進化版です。ITIL® 4の実践を通して実証された内容を維持しつつ、これからのデジタルの時代に合わせて進化させたものです。従って、既存のITIL® 4認定は継続して有効です。
  • ITIL® (Version 5)でITSM(ITサービスマネジメント)はDPSM(デジタルプロダクト&サービスマネジメント)に進化しました。デジタルプロダクトとサービスとエクスペリエンスを統合して管理し、価値を創出します。
  • AIネイティブに設計されており、AIガバナンス、説明責任、責任ある導入を核に組み込んでいます。プラクティスでも、AI倫理やリスク管理を含むAIガバナンス要素が強調されています。

 

2. 資格体系

認定資格
  • ITIL® ファンデーション(Version 5)
  • ITIL® プロダクト
  • ITIL® サービス
  • ITIL® エクスペリエンス
  • ITIL® ストラテジー
  • プラクティス専門モジュール(Monitor, Support & Fulfill、Plan Implement & Control、Collaborate、Assure & Improve)
  • ITIL® トランスフォーメーション
認定称号
  • ITIL® プラクティスマネージャー: ITIL®ファンデーション、いずれかのプラクティス専門モジュール、ITIL®トランスフォーメーションの修了・試験合格が必要です
  • ITIL® マネージングプロフェッショナル:ITIL® ファンデーション、ITIL®プロダクト、ITIL®サービス、ITIL®エクスペリエンス、ITIL®トランスフォーメーションの修了・試験合格が必要です
  • ITIL® ストラテジックリーダー:ITIL® ファンデーション、ITIL®ストラテジー、ITIL® トランスフォーメーションの修了・試験合格が必要です
  • ITIL® マスター:上記3つの上位資格(プラクティスマネージャー、マネージングプロフェッショナル、ストラテジックリーダー)をすべて取得することで認定されます
拡張モジュール
  • ITIL® AIガバナンス

 

3. リリース予定

英語版:ITIL® ファンデーション(Version 5)は2月中旬にリリース。その他の英語版のモジュールはすべて2026年内にリリース予定です。
日本語版:他の言語への対応も計画されておりますが、リリースのスケジュールは未定です。

 

4. ITIL® 4の今後について

ITIL® 4 日本語版は引き続きITサービスマネジメントの共通言語の業界標準として、またTIL® (Version 5) のサービスマネジメントのベースとして2027年まで提供されます。

 

5. ITIL® (Version 5)への移行

現在の資格保持状況に応じて、以下のような移行が設定されています。

ITIL® 4 ファンデーションITIL® (Version 5)の上位モジュールを受講するための前提条件としてそのまま有効です。 ただし、ITIL® (Version 5)の主要な変更点に焦点を当てた「ブリッジ研修」もリリース予定です。
ITIL® 4 マネージング プロフェッショナル「ITIL® マネージング プロフェッショナル トランジション (MPT)」コースを受講し試験に合格することで、ITIL®マネージング プロフェッショナル(Version 5)へ移行します。このコースは、プロダクト、サービス、エクスペリエンス、トランスフォーメーションの更新内容や変更点に焦点を当てたものになります。
ITIL® 4 ストラテジックリーダー新設される 「ITIL®トランスフォーメーション」コースを受講し試験に合格することで、ITIL®ストラテジックリーダー(Version 5)へ移行します。
ITIL® 4 プラクティスマネージャー新設される 「ITIL®トランスフォーメーション」コースを受講し試験に合格することで、ITIL®プラクティスマネージャー(Version 5)へ移行します。
ITIL® 4マスター「ITIL® マネージング プロフェッショナル トランジション (MPT)」コースを受講し試験に合格することで、ITIL® マスター(Version 5)へ移行します。
ITIL® v3等、以前のバージョンからの移行ITIL® (Version 5)から新たに学ぶことが推奨されています。 ただし、ITIL® v3エキスパートおよびITIL® v3マスター保持者については直接「ITIL® マネージング プロフェッショナル トランジション (MPT)」コースを受講できます。

ITプレナーズの見解

ITIL® 4は2019年のファンデーションを封切に、順番にリリースされました。そのインプットとなる市場調査は2017〜2018年と、DX黎明期でした。したがって、その内容は今となってはアップデートが必要と感じる部分も既に出てきています。

今回リリースを開始した最新のITIL® (Version 5)は、生成AIの台頭以降にそれまで以上に激しく変化していったデジタルな世界での実践をインプットとし、ITIL® 4の考え方をベースとしながらも、最新の具体的な事例に裏打ちされたデジタル時代のフレームワークへと進化していると言えます。私たちも、本格的なデジタル時代に価値を生み出すために参照できるフレームワークとして期待しています。

一方で、ITIL® (Version 5)の資格体系図を見ていただければわかるとおり、骨格レベルの大きな変更はありません。これが、ITIL® 4から5へは「リプレースではなく進化」だと表現される理由です。

新たなバージョンに期待が高まる一方で、日本語の書籍や試験のリリースに関する公式発表は現時点ではなく、PeopleCert社からの続報が待たれる状況です。また、日本語版のリリースは、今後変更や遅れが生じる可能性も考えられます。

そのため、ITIL® (Version 5)の動きを待つことなく、まずは現行リリースされているITIL® 4を学習され、ITIL® (Version 5)の日本語試験がリリースされた際に、差分を学習して「進化」していく戦略をお勧めします。

なお、現在提供しているITIL® 4の研修内容に関しましては、ITIL® (Version 5)の発表以降も、内容に変更はございません。

ITプレナーズは今後もPeopleCert社と連携し、最新情報を迅速にお届けすることで、皆様の人材育成を支援してまいります。

 

本件に関するお問い合わせ先:

株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィック
メールアドレス:japan.info@itpreneurs.co.jp

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