事例紹介

お客様の本質的な要望を掴み、提案力強化へ。「BOSCAR」でエンジニアにも不可欠なビジネス視点を身につける

株式会社ケー・エス・ディー様
研修事例
2026.3.12

関西圏を中心に幅広いITサービス事業を展開し、お客様のIT基盤を支える株式会社ケー・エス・ディー。

普段は異なる常駐先で業務に向き合う社員の集合研修として、ITプレナーズが提供する「BOSCAR 提案力強化ワークショップ」(以下、BOSCARワークショップ)を実施いただきました。本研修は、相手が本質的に何を求めているかを論理的にまとめ、その後の最適な判断や行動につなげるためのポイントを、ワークショップを通して学習する内容となっています。

「技術力の追求だけでは、エンジニアとして限界がある」。そう語るマネージャーの井関様に、研修の実施背景と受講後の変容について伺いました。


BOSCAR 提案力強化ワークショップ

  • 年次や常駐先を問わず、全メンバーが現場で即活用できる思考の共通基盤を築く
  • お客様の本質的な要望を掴み、自ら発信する力を養う
  • 技術スキルの提供に留まらず、プラスアルファの価値を提案できる視座を獲得する
  • 結論から伝え、要点を論理的に整理して報告するコミュニケーションが現場に定着
  • 「何を成し遂げたいのか」という目的を第一に置き、顧客と併走する提案姿勢へ変化
  • 若手からベテランまで視点が揃い、組織として共通の判断軸を持って動けるように

現場で即座に活かせる「考える力」を身につけたかった

──まずは、御社の事業内容と、井関さんの役割についてお聞かせください。
井関さん

ケー・エス・ディーは、ITサービスマネジメントの提供を主力事業とする会社です。関西圏を中心としたお客様先に常駐し、ネットワーク機器の導入・維持、サーバーの構築、セキュリティ管理などを幅広く支援しています。また、医療分野や教育分野向けの自社開発パッケージシステム事業も手がけています。

 

その中で私は、ITサービスマネジメント事業部門にてマネジメントを担当しています。お客様へのご提案や、常駐先の現場で働く弊社の従業員とのコミュニケーションなどが主な役割です。

──今回、研修を実施された背景にはどのような理由があったのでしょうか。
井関さん

弊社のメンバーは普段、それぞれ異なる支援先に常駐して業務にあたっています。その中で、法制度に基づき、派遣業務に従事する社員向けのキャリアアップ教育訓練を毎年実施する必要があります。

 

ただ、支援先によって求められる専門知識やスキルはそれぞれで、メンバーの年齢層も新人からベテランまでと幅広く、全員にとって実践的で、就業先ですぐに活かせるような企画を考えるのには毎年苦労していました。2025年度もさまざまな教育コンテンツを検討し、最終的に「BOSCARワークショップ」の採択に至りました。

──数ある選択肢の中で、なぜ本研修を選ばれたのですか?
井関さん

「BOSCARワークショップ」は、お客様の本質的なご要望を汲み取り、いかに応えていくかという提案のスキルを磨く研修です。

 

私たちエンジニアにとって、技術力の追求はもちろん重要です。しかし、お客様を支援する上では、こうしたビジネス的な考え方や手法を学ぶことも欠かせません。だからこそ、この内容はあらゆるメンバーの学びになると確信しました。

 

実は、昨年度の教育訓練では、クラウド環境におけるサーバー構築演習という、実践的な技術習得に特化したテーマを採択しました。そこから少し切り口を変え、今回の研修を提案してくれたITプレナーズにはとても感謝しています。

──研修実施にあたり、受講者の皆さまに期待していたことは何でしょうか?
井関さん

運用の現場でITサービスを提供するという事業特性上、メンバーは「言われたことを確実に遂行する」力を持っています。しかし、さらなる価値を提供するために「お客様が真に要求していること」を自分たちで掴みにいき、プラスの改善提案を行う力については、これまでの業務の中で養う機会は多くありませんでした。そうした現状を打開するためにも、非常に良いきっかけになると感じました。

年次や役職を超えて同じ土俵で学び合い、お客様の本質に向き合う

──当日の研修には井関さんも参加者として受講されたとのことですが、研修全体の感想をお聞かせください。
井関さん

講師の方の的確な働きかけや、豊富な経験談を共有いただいたおかげで、終始とても和やかな雰囲気で進んでいたのが印象的です。

 

今回の研修では、ワークで取り組むテーマを「議事録作成」に設定しました。日頃のIT運用業務やお客様との折衝において、誰もが経験する内容です。そのため、もともと得意としていた社員にとっては良い振り返りの機会になり、苦手意識のあった社員にとっても、物事の背景やお客様の考えをどのように汲み取るべきか、という本質的な視点を得る機会になったと思います。

──特に、どのような点が学びになりましたか?
井関さん

特に、講師の方がお話ししてくださった「お客様を失望させてしまった事例」のエピソードが、まさに腑に落ちる内容でした。

 

ある定例会議の場で、サービス提供側として障害に対する対処の報告をしたところ、お客様からお叱りを受けてしまったという話でした。お客様が求めていたのは場当たり的な報告ではなく、会社全体として解決に向かうアプローチであり、共に価値を共創していく姿勢を見せてほしかったのだと。これは決して他人事ではなく、私たちにも起こり得る話であり、聞いていて改めて身が引き締まりました。

 

本質的なご要望を見極めるために、お客様を取り巻く環境や立場、そして「何を成し遂げたいのか」という目標を共有し、その達成に向けて伴走する姿勢を持つこと。その重要性が再認識できたのは、大きな収穫でしたね。

 

また、お客様との会議の中で、課題と次のアクションについて論理的にまとめる手法も学べて、翌日からすぐに実践できる内容だと感じました。

──研修での受講者の皆さまの様子はいかがでしたか。
井関さん

グループワークでは、様々な年次の参加者でチームを組みました。こうした場では、年長者のメンバーが取りまとめたり手本を示したりする傾向があります。しかし今回は、全員が同じ土俵に立って意見を交わしていたのが印象的でした。

 

誰かが一方的にアドバイスをするのではなく、お互いの発表を聞きながら「そういう考え方もあるよね」「そのアイデアはぜひ取り入れたい」と、年次に関係なくお互いから学び合っていたのです。若手だけでなく、ベテランメンバーにとっても新鮮で有意義な学びの場となったように思います。

技術の先にある“価値”を届けるために。不確実な時代を勝ち抜く視座の獲得

──受講後、参加者の皆さんからはどのような声が届いていますか。
井関さん

私と同様に「お客様の意図を汲み取る方法を学べた」という声はもちろん、話し合いの内容を論理的にまとめる重要性に改めて気づいたという感想も多く寄せられました。こうした学びは、実際の業務にも目に見える変化として現れています。

──現場では、どのような変容が見られますか?
井関さん

若手メンバーを中心に、結論から先に伝え、全体像を分かりやすくまとめて報告してくる場面が明らかに増えましたね。口頭での説明も、要点が整理され、以前のように用件を長々と話すことが少なくなったと感じます。

 

私自身も、お客様との折衝において「お客様が何を求めているのか」「共により良い価値を生み出すためには何をすべきか」という目的を改めて第一に置き、日々の提案を進めています。

──まずは情報の伝え方や整理の仕方に、目に見える変化が芽生えてきているのですね。
井関さん

おっしゃる通りです。エンジニアとして、ITスキルの向上だけでは限界があります。物事の考え方、伝え方、そして聞き方。こうした能力を同時に高めていかなければ、お客様にプラスアルファの価値を提供し続けることはできません。

 

ビジネス環境の変化が激しい現代において、その傾向はますます強まるでしょう。今回の研修を通じて「視点を装着できた」ことは大きな一歩であり、今後の事業推進を加速させる鍵になると確信しています。

──今後の人材育成については、どのような展望をお持ちでしょうか。
井関さん

現在の主力事業であるITサービスマネジメントに加え、今後は設計・開発・構築を含め、新しい領域へのチャレンジもより加速させていきたいと考えています。

 

そのために、「技術的な能力向上」と「ベースとなる思考力の強化」という二つの軸で育成を進めていく方針です。技術は書籍や資格試験を通じた独学も可能ですが、フレームワークや考え方を身につけるのは、実践が伴わないとなかなか難しいものです。そこで、今回のように体験を通じて学ぶ機会を今後も大切にしていきたいですね。

──最後に、ITプレナーズへの期待をお聞かせください。
井関さん

ITプレナーズの皆さまには、当社の人材育成に多大なるご貢献をいただき、大変感謝しています。ここ数年は、ITプレナーズが提供するワークショップの体験会などを、場所をご提供する形での共催も実現し、より深い連携ができるようになったことを非常に嬉しく思っています。これからも良きパートナーとして、共にさまざまなチャレンジを続けていければ幸いです。


お客様情報

社名 株式会社ケー・エス・ディー
業種 情報通信
設立 1977年9月28日
資本金 36,000千円
従業員数 120名
ウェブサイト https://www.ksd-japan.com/

研修について:BOSCAR 提案力強化ワークショップ

論理的分析手法「BOSCAR」を活用し、相手の要望や相談を表面通りに受け取るのではなく、その背後にある本質的なニーズを構造的に捉えるスキルを習得します。ワークショップを通じ、相手の真意に基づいた最適な判断や提案へと繋げ、一段上の信頼関係を構築するための実践的なポイントを学習します。


※取材は2026年2月に行いました。

取材・文:Yui Murao