2025年4月15日〜17日、国内外における最新のDevOpsプラクティスを学べるカンファレンス「DevOpsDays Tokyo 2025」に、ITプレナーズはスポンサーとして参加しました。
DevOpsDays Tokyoは、DevOpsに関わるエンジニア、マネージャー、文化づくりに挑む多くの実践者が一堂に会するカンファレンスの東京版です。今年の開催では、約250名の参加者が現地会場とオンライン上に集結し、3つのKeynoteと参加者によるセッションが実施されたほか、スポンサー各社によるブース出展や、参加者同士の交流も活発に行われました。
そんなDevOpsDays Tokyoの現地の様子や、ITプレナーズが実施したスポンサーセッションの様子をレポートでお届けします!
DevOpsDays Tokyo 2025に参加して印象的だったのは、「カルチャー醸成」や「コラボレーション」の重要性が、技術と同じくらいの熱量で語られていたことです。また、プラットフォームエンジニアリングやインナーソース、AIといったトピックにも高い関心が集まっており、それぞれの現場での試行錯誤や実践が共有されていました。
ここでは、組織内での取り組みや、そこから得られた学びが印象的だったセッションをいくつかご紹介します。
2001年に創業したはてな社でエンジニアリングマネージャーを務める、だいくしーさんによる基調講演です。
開発合宿やモブプロなど、現在の開発現場で一般化しつつある施策を早くから実践してきたはてな社。社内で「へんな会社」とも称されるその文化は、変化に柔軟に適応する強い土台となっていると感じました。また、継続的デリバリーの全社導入やコンテナ技術の早期採用など、技術面でも素早くアップデートを重ね、組織として進化を続けている点も印象的でした。
ダイキン工業の前川さんによるセッションです。DevOpsの浸透が難しい大企業の中で、どのように組織に広げていったのか、その取り組みが紹介されました。
鍵となっていたのは、不確実で予測が難しい状況下での意思決定方法「エフェクチュエーション」の考え方です。今あるリソースを活かし、「許容可能な損失」の範囲でまずやってみる。偶発的な出来事や困難にも柔軟に対応しながら、社内コミュニティが着実に拡大している様子が語られました。
エンタープライズアジャイルコーチのDana Pylayevaさんによる2日目の基調講演です。DevOpsにおけるカルチャー変革の重要性と、それを実現するためのゲーミフィケーションアプローチが紹介されました。
セッション中には、参加者同士で簡単なワークを行う機会も。さまざまな恐れが書かれている「モンスターカード」を見ながら、どの恐れに対してチームでどう対処できるか?について話し合いました。こうして多様な人たちと、まずは不安を共有し、恐れの解消に向けてアイデアを出し合い対話するプロセスそのものが大切だと改めて感じました。
3日目に行われたOpen Space Technologyでは、DevOpsやAIコーディングなど、様々なテーマで対話が行われました。
中でも印象的だったのが、「プラットフォームエンジニアリングにおける『プラットフォーム』とは何か?」というテーマです。「具体的に何を指し、何を扱えばいいのか」といった実践者ならではの疑問が背景にありました。
問いに対しては、アプリケーション基盤に加え、「全社〇〇」などの共通サービスもプラットフォームに含まれるのではという意見が出ていました。対話の中では「関係者の巻き込み」や「開発と運用の間にある壁」といった共通の課題も浮き彫りに。プラットフォームの構築には技術だけでなく、やはりカルチャー醸成の視点も必要だと話し合いました。
ITプレナーズは、イベント2日目に「プラットフォームエンジニアリングとは? 〜開発者体験の向上と効率化を実現する新たなアプローチ〜」と題したスポンサーセッションを実施しました。
近年、注目を集めているプラットフォームエンジニアリング。企業にもたらす価値や成果、実践にあたって押さえておきたい原則、チーム内で期待される役割について、ITプレナーズ前社長でDevOpsに関わるさまざまな活動を行っている柳沼氏が解説しました。特に、開発者が本来の業務に専念し、開発者が楽しく・早く・効率的に開発できる仕組みを整えることの重要性が強調されました。
セッションルームはおかげさまで満席御礼となり、プラットフォームエンジニアリングへの関心の高さがうかがえました。
講演資料はITプレナーズのSpeakerDeckにて閲覧可能ですので、関心のある方はぜひご覧ください!
ITプレナーズのブースでは、参加者の皆さんと一緒にDevOpsカルチャーについて考えるパネルを設置。
会場にいるみなさんに「DevOpsカルチャーのためのアイデア」を桜のふせんに書いて貼っていただき、2日間で枯れ木にDevOpsカルチャーの花を咲かせよう!という企画です。
一方、カルチャーにお悩みを抱えているという方には、困った顔をした鳥の付せんに悩んでいることを書いて貼っていただきました。さらに、その悩みに役立つようなアイデアがあったら、鳥の近くに寄り添うように桜を咲かせてもらいます。
最初は寂し気だった枯れ木に、鳥が集まり、桜が咲き乱れると……
こんなに華やかになりました!!!
他の方が書いた付せんを見ながら「この課題、うちでもあります!」「やっぱりこれは大切ですよね」と会話にも花が咲きました。ブースにご来場いただき、率直な悩みやアドバイスをお聞かせいただいた皆さま、ありがとうございました!
(素敵なアイデアがたくさん集まったので、後日別記事にて詳しく紹介します!)
また、ブースではITプレナーズが提供するDevOps研修や、自動化する前に業務の現状分析ができる「VSMワークショップ」などを紹介させていただきました。皆さまの組織のカルチャーにも花を咲かせるお手伝いができれば嬉しく思います。
DevOpsDays Tokyo 2025では、技術的な側面だけでなく、カルチャーや組織の変革、そして人と人とのつながりの重要性が繰り返し強調されていました。DevOpsは単なるツールやプラクティスではなく、組織と人を変えていく取り組みであることを改めて感じさせるイベントでした。
ITプレナーズも、DevOpsにおけるカルチャー醸成と実践のための学びを提供する存在として、今後も人と組織の進化を支援していきたいと感じました。ブースや会場内で交流いただいた方々、セッションで多くの学びをシェアしてくださった登壇者の方々、実行委員の皆さま、本当にありがとうございました!
ITプレナーズは今後もさまざまなアジャイル・DevOpsイベントに参加する予定です。皆様と交流できることを楽しみにしています!