事例紹介

社員のアジャイル実践度に合わせた研修提供と研修内製化を実現!tdiのアジャイル人材育成と今後の展望

情報技術開発株式会社様
研修事例
2023.8.30

創業50年以上の歴史と実績を持ち、コンサルティングから開発、保守、運用までの多様なITサービスをワンストップで提供する情報技術開発株式会社(以下、tdi)。

同社ではローコード開発ツールを用いたスピーディな開発支援も行うことから、近年では社内でアジャイルの推進に力を入れています。その中で、ITプレナーズはアジャイル・スクラムを基礎から学べる「EXIN Agile Scrumファンデーション」、演習を交えてより実践的なスクラムが学べる「Professional Scrum Master™」の2つのアジャイル研修の提供をはじめ、研修内製化を支援するなど、全社的なアジャイル人材育成に伴走中です。

研修の導入をリードし、自身も社内講師を務める開発本部 OutSystems推進室の五十嵐様、研修を受講された太田様、森様に、研修で得た学びと受講後の変容を伺いました。


  • EXIN Agile Scrumファンデーション
  • Professional Scrum Master™
  • ビジネス環境の急激な変化に伴うニーズの多様化に備え、社内のアジャイル人材を育成する
  • アジャイル初心者の社員には、フレームワークや手法について基礎から学べる研修を提供する
  • アジャイル実践中の社員には、より実践的な学びとして、スクラムチームの効果的な運営スキルを身につけてもらう
  • 社内の各スクラムチームで、お互いに学び合い業務の進め方を継続的に改善する意識が醸成された
  • アジャイル研修の社内講師が誕生し、研修の内製化が実現

ローコード開発と親和性の高いアジャイルの考えを社内に浸透させたい

——貴社の事業内容を教えてください。
五十嵐さん

tdiは独立系のITベンダーとして、ソフトウェア開発、システム運用、組み込みソフト開発、データセンターサービスなど多彩なサービスを提供する企業です。

 

お客様にとって価値あるパートナーとなることを目指し、最近ではソリューション事業にも力を入れています。スピーディなシステム開発を支援するローコード開発基盤「OutSystems」や、デジタルサイネージの運用にかかる手間の最少化を実現するクラウド型管理システム「DAiS Signage」などが主なソリューションサービスです。

——皆さまの担当業務についてもお聞かせください。
五十嵐さん

私たち3名は、先ほどご紹介した「OutSystems」をメインに、ローコードビジネスを推進する組織に所属しています。その中で私が担うのは、お客様へのライセンスや製品の説明から導入、プロジェクトとしての立ち上げをサポートするプリセールスの役割です。

 

また、「OutSystems」のようなローコード開発の手法を啓蒙する狙いで、社内の技術者や弊社のパートナー企業向けの教育担当も務めています。

太田さん

私は、お客様先でローコードツールを活用した開発内製化のプロジェクトに携わっています。開発現場ではアジャイルの手法を取り入れており、スクラムマスターとして複数の開発チームのスクラム運営をフォローすることが主な担当業務です。

森さん

私は、太田さんがスクラムマスターを務める1チームに所属しています。お客様先では「OutSystems」を導入したばかりのため、テックリードとして、コード品質の担保やテスト計画など技術面でのフォローを行っています。

——社内でアジャイルを推進する取り組みは、どのようにして始まったのでしょうか?
五十嵐さん

2018年頃から「OutSystems」事業に関わる社員を中心に、アジャイルを学ぼうとする動きが生まれました。

 

アジャイル開発では、まずはプロダクトを素早く小さく作り、リリース後にフィードバックをもらって検証するというサイクルを繰り返して、次々に改善を重ねていくことを基本としています。その考え方は、スピーディかつ高品質なシステム構築を目指すローコード開発にもマッチしているため、ローコードとアジャイルを組み合わせて実践する現場も増えてきたのです。

 

現在、tdiではC#やJavaを用いた開発案件に携わることが多いですが、今後はビジネス環境の急激な変化にともなうニーズの多様化にも対応していかなければいけません。新しい技術を積極的に取り入れ、事業成長へつなげることを狙いとしています。

「正解のない」アジャイル開発で、チーム内の対話と継続的改善の重要性を再認識

——ITプレナーズとの出会いのきっかけを教えてください。
五十嵐さん

事業の成長に伴いパートナー企業との関わりを広げる中で、アジャイル研修を提供するITプレナーズの存在を知ったのが最初のきっかけです。当初は「社内研修を実施しよう」といった明確な構想はありませんでしたが、アジャイル人材育成について何度かお話しするうちに、自社でも定期的に研修を実施したいと考えるようになりました。

 

これまでは、知識の習得が必要な社員が、各自で外部の公開講座を探して受講する形でアジャイルを学んでいました。

 

完全にパッケージ化されたものではなく、tdiの事業により近しい実践的な学びを提供できないかと考えていたところ、ITプレナーズでは個社開催もフレキシブルに対応していると知り、研修の実施をお願いしました。

——アジャイル研修として、「EXIN Agile Scrumファンデーション」と「Professional Scrum Master™」を採択した理由は何だったのでしょうか?
五十嵐さん

まずは、アジャイル未経験の社員向けに、アジャイルの知識を網羅的に学べる研修を取り入れたいと考えていました。「EXIN Agile Scrumファンデーション」は、アジャイル開発の基本的な流れや専門用語などの基礎知識だけではなく、実務経験豊富な講師から事例も交えて学べると聞き、ベースとなるスキルを身につけられると感じました。

 

また、アジャイル開発を経験している社員に最適だと考えたのが「Professional Scrum Master™」です。アジャイルの手法として最も知られているスクラムの基本原則や、より実践的なスクラムチームの運営方法を学んでもらうことで、現場でより効果的なふるまいができるようになると考えました。

 

ITプレナーズのセールス担当の方には、社員のアジャイル習熟度に合わせてどの研修を実施すべきかから相談に乗っていただき、一緒に研修の提供方法を検討できたのが心強かったですね。

 

研修の導入決定後、2022年7月に1回目の「EXIN Agile Scrumファンデーション」、2023年3月には「Professional Scrum Master™」を個社開催で実施し、これまでに約50名の社員がいずれかのアジャイル研修を受講済みです。

——「EXIN Agile Scrumファンデーション」を受講した森さん、「Professional Scrum Master™」を受講した太田さんにそれぞれ感想を伺いたいと思います。
森さん

私は以前の職場でウォーターフォール型の開発経験が長く、そこでは決まった道筋を確実にこなす動きが求められました。それゆえ、臨機応変に開発の優先順位や仕様を変えていくアジャイルの考えとのギャップを感じ、1日目は少し戸惑ったのが正直な感想です。

 

ですが、研修が進むうちにアジャイルの概念を少しずつ理解できました。

 

社員同士で取り組むワークが多くあったのですが、スクラムの原則に立ち返って話し合おうとすると、それぞれ微妙な解釈のズレが生じることもあります。他の人の意見を聞いて「そう捉えることもあるんだな」と新たな気づきがあり、だからこそアジャイルの現場でも、チーム内での対話を通じて最適なやり方を見つけることが大切なのだと実感したんです。

太田さん

スクラムを実践する上では、スクラムの理論や原則を理解することが不可欠です。ただ、私は物事を概念的に捉えることが少し苦手で、最初は内容をかみ砕いて理解するのに苦労しましたね。

 

研修で一番印象に残ったのは、「スクラムにおいて正解はない」という言葉です。研修では、様々なケーススタディに取り組み「スクラムマスターとして、チームに対してどのように働きかけるか」についてグループごとにディスカッションを行います。

 

その際、講師の方が各グループから出た意見やアイデアをどれも否定せず受け止めてくれたのが印象的でした。その上で「こうするとさらに良くなるよ」と新たな視点を示してくださり、学びになると同時に、スクラムマスターとして「正解を無理に決めつけるのではなく、多様な意見を取り入れていく姿勢が重要だ」と気づきました。

アジャイル研修プログラムの体系化に加え、研修内製化でさらなるアジャイル普及を

——各研修を受講後、現場ではどのような変容が生まれていますか?
太田さん

受講前は、スクラムチーム運営の進め方に悩んでいました。ですが、研修で学んだ通り「正解はない」と認識を改めたことによって、自分の行動も変わったように思います。

 

他チームに成功事例やナレッジを積極的に聞きに行き、バックログをもっと細かい単位で作り直したり、作業内容を担当者任せにせずメンバー同士がヘルプや相談をし合える体制を整えたりと、様々なアイデアを試してみることにしたんです。

 

その結果、スクラムチームのメンバーからは「以前よりも業務が進めやすくなった」と言ってもらえ、良い成果につながりました。判断に迷う場面でも「一旦決めて前に進んでみて、課題や改善点が見つかれば次のスプリントに活かそう」という意識が、スクラムチーム全体に浸透しつつあります。

森さん

私たちの仕事では、支援先のお客様に合わせた柔軟な対応が必要です。たとえ同じシステムを扱っていても、メンバーが変わるだけでチーム内の雰囲気や業務の進め方が大きく変わるケースも少なくありません。

 

受講後は、チーム内の変化にも適応しながら物事を考える視点が身についたと思います。アジャイルの本来の目的である「開発を滞りなく円滑に進め、顧客に求められるものを作る」ことにフォーカスしつつ柔軟に動いていこう、とスタンスを切り替えられました。

——複数回のアジャイル研修実施をご支援させていただく中で、ITプレナーズに感じていただいたメリットがあれば教えてください。
五十嵐さん

大きく2つあります。1つ目は、自社のニーズに合わせて研修のカスタマイズや教育プログラムの体系化にきめ細かく対応いただけることです。

 

公開型ではなく個社ごとでの開催が可能な研修は多いと思いますが、ITプレナーズの研修では実施するグループワークの内容を、自社の事業により近い形でカスタマイズできます。実際に「EXIN Agile Scrumファンデーション」では、ユーザーストーリーを書き出すワークにtdiの現場で扱うシステムを取り上げるなどの変更を加えました。

 

きめ細やかなカスタマイズにも対応いただいたおかげで、受講後の実践によりつながりやすい研修を提供できたと思います。

 

2つ目は、アジャイル研修の内製化までサポートいただけたことです。社内のアジャイル教育をどのように進めていくか相談していた中、セールス担当の方から「五十嵐さんが社内講師として、内製化を目指すのはどうか」と提案をいただきました。それによって、社員に最適な研修を提供するための新たな選択肢を持つことができたんです。

——五十嵐さんが社内講師になるにあたってのサポートについてはいかがでしたか?
五十嵐さん

研修運営に関する豊富なノウハウを共有いただけた点がありがたかったです。内容をわかりやすく伝える方法だけでなく「受講者から積極的に質問してもらえるインタラクティブな研修にするためには」「グループワークをより自社の事業に近い形でカスタマイズするためには」などの細かい相談にも柔軟にアドバイスをいただけました。

 

2022年12月にITプレナーズの認定講師育成トレーニングを受講後、2023年3月にはASFで講師として社内研修を実施しました。アンケート結果では、受講した社員からの評価はおおむね良く、認定資格の取得者も順調に増えています。

——今後の展望をお聞かせください。
五十嵐さん

今後、お客様の支援でもアジャイル開発の事例が増えていくと思います。現在は業務の上で習得が必要な社員に向けてアジャイル研修を実施していますが、tdi全体にアジャイルを根づかせていく動きも必要になるでしょう。

 

従来の手法から転換するために「正解がない」アジャイルのフレームワークにどのように適応していくかが重要だと考えています。今後は、より実例に沿って、研修受講後にすぐにアジャイルの現場で活躍してもらえるような研修を、次のステップとして取り入れていきたいです。ITプレナーズの皆さんにも、引き続きご支援をいただければ幸いです。


お客様情報

社名 情報技術開発株式会社
業種 情報通信
創立 1968年9月2日
資本金 13億5,100万円
従業員数 1,846名 (2023年3月31日現在)
ウェブサイト https://www.tdi.co.jp/

EXIN Agile Scrumファンデーション

DX推進など大きな変化が求められるVUCAの時代において、柔軟に対応しながら成果を生み出すための有力なアプローチとして注目されているのが「アジャイル」です。

本コース「EXIN Agile Scrumファンデーション」では、アジャイルの考え方に加えて、アジャイル実現のための手法の中で、世界で最も活用されている「スクラム」の考え方や手法について理解を深めます。アジャイルの実務経験豊富な講師が、事例を交えてわかりやすく説明します。

Professional Scrum Master™ (PSM)

Professional Scrum Master™(PSM)は、プロフェッショナル・スクラムとスクラムマスターの役割をしっかりと理解する、演習中心のインタラクティブなコースです。ディスカッションと演習の組み合わせで、スクラムの基本原則とアジャイルのマインドセットを深く理解し、成功するスクラムチームが実践しているプラクティスを学びます。

また、このコースには、世界的に認められているProfessional Scrum Master™ I(PSM I)認定試験も含まれています。


※取材は2023年6月に実施しました。
ライター:Yui Murao