事例紹介

お客様の「真のニーズ」を引き出す組織へ。ユニアデックスが全職種で「BOSCAR」を学ぶ理由と効果

ユニアデックス株式会社様
研修事例
2026.6.10

ITインフラの設計・構築から保守・運用やマネージドサービスなどを提供するユニアデックス株式会社。営業・エンジニア・コーポレートスタッフが連携してお客様に価値を届ける事業モデルの中で、同社の人的資本マネジメント部アカデミー推進室は社員育成の中核を担っています。

同社では、営業職において「要望の背景にある真のニーズを引き出したい」という問題意識があったほか、若手社員にもお客様との対話において、相手の意図を汲み取ることへの課題が浮き彫りになっていました。
そうした状況を受けて導入されたのが、ITプレナーズが提供する「BOSCAR 提案力強化ワークショップ」(以下、BOSCARワークショップ)です。相手が本質的に何を求めているかを引き出し、真に必要なソリューションを提供することを目的としています。

同社では本研修を2023年の初回以来毎年実施し、今年度で3年目を迎え、対象職種は営業職から全職種へと広がっています。今回は人的資本マネジメント部アカデミー推進室の中村様、土山様、篠崎様に、導入の経緯、受講者の変化、そして今後の人材育成の展望について伺いました。


BOSCAR 提案力強化ワークショップ

  • 表面的な要望から「真のニーズ」を引き出す力を養う
  • 依頼の背景や意図を汲み取って動く「自律的な姿勢」を育む
  • お客様からの信頼の鍵となる「付加価値の高い提案」ができるようになる
  • 言われたことにそのまま応えるだけでなく、一度立ち止まって背景や複数の選択肢を「自ら考える姿勢」へ変化
  • ヒアリングの引き出しが増え、お客様に対して「もう一歩踏み込んだ質問」ができるように
  • 日々の課題や腑に落ちなかった経験に対し、BOSCARという型を思い出しながら「立ち止まって振り返る」姿勢へ

「相手の背景を読む力」を全社へ──職種を越えて広がった導入の背景

——皆さまの担当業務についてお聞かせください。
中村さん

私は、主に営業教育とマーケティング教育を担当しています。新人研修と、2年目以上の社員向け研修の企画・運営が主な業務です。

篠崎さん

私も同じ部署で同様の担当をしています。

土山さん

私は既存社員向けに営業研修の企画・運営を担当しています。また、新人研修にも幅広く関わっており、4月から6月末にかけては、学生から社会人へのマインドセット転換や、ビジネスマナー、Excel・PowerPoint、報連相といった「社会人基礎力」と呼ばれるカテゴリーの研修の企画・運営も担当しています。

——BOSCARワークショップを導入された背景についてお聞かせください。
中村さん

最初にBOSCARワークショップを導入したきっかけは、まず営業がお客様から要望を聞いてそのまま提供するだけでなく、要望の背景にある真のニーズを引き出せるようになってほしいという問題意識があったことです。ITプレナーズの岡本社長に相談したところ、本ワークショップをご紹介いただいたのが採択の経緯です。

 

また、現場からは若手社員について「素直に取り組んではくれるが、依頼の背景を自分で考えて、相手の意図を汲んで動くことが難しい」という声も多く上がっていました。お客様との対話においても、一歩踏み込んだコミュニケーションができるようになってほしいという課題感があったため、若手社員向けの研修としても採用を決定いたしました。

篠崎さん

最初の実施は営業職と中堅社員が混在した形でしたが、その後「特に若手には、会話の中で要点を確認する意識をより丁寧に身につけてほしい」という思いを強くし、翌年度からは若手向けにプログラムをカスタマイズしました。2023年以降、毎年継続して実施しています。

——2025年度から対象を全職種に広げられたとのことですが、その経緯を教えてください。
土山さん

全職種への展開については、エンジニアの教育チームから「これは営業に限らず、エンジニアや他部署の若手にも受けてほしい内容だ」という声が上がってきたことがきっかけでした。2025年度はエンジニアの若手、スタッフ部門の若手、中途採用の方にも受講機会を増やし、職種共通にして本当に良かったと感じています。

篠崎さん

当室内で各研修の評価を共有する機会があるのですが、その場でエンジニアの教育担当者からも「ぜひ実施したい」という意見が上がりました。エンジニア自身もお客様のもとへ営業と同行し、現場でヒアリングを行う場面が多いため、活用できると判断したのだと思います。

中村さん

もう一つの背景として、ちょうどエンジニア部門でも「営業力強化」というキーワードが挙げられていたことがあります。組織長クラスがお客様との商談でご要望を正確に理解する力を高めようとしており、現場レベルでも同じ意識が広がっていました。弊社ではエンジニアと営業が一緒にお客様先へ伺うことがほとんどです。エンジニアが技術的な観点でお客様と深く対話できる力を高めたいというニーズが、ある意味口コミのような形で部門を超えて自然に広がっていったということです。

 

また、競合も多く、単に安価だからという理由で選ばれる時代ではありません。お客様に対していかに付加価値を提供できるか、そのお客様目線の部分こそが、信頼の鍵となります。「この会社は、本当に良いものを提案してくれる」と認めていただくためには、組織としての地力を底上げしなければなりません。経営層がその必要性を強く感じていたことも、導入の経緯にあったと思います。

——新入社員向けのBOSCARワークショップを2月に実施されたとのことですが、このタイミングで実施された理由はなんでしょうか。
土山さん

4月〜7月の新人研修期間中の実施も検討しましたが、入社直後はまだ現場の業務が具体的にイメージできない状態です。研修で学んだことを自分の経験と結びつけることが難しいため、夏季の現場配属後しばらく経った2月の実施に切り替えました。現場に配属されてからだと、「あの時、どう対応すれば良かったのだろう」「あの指示の意図はなんだったのだろう」という具体的な経験と紐づけられます。

そこでBOSCARのフレームワークに触れると、自分の実体験に当てはめて深く考えることができます。実際のワークでも、参加者が自身の経験をもとに「これをBOSCARに当てはめるとどうなるか」と活発に議論する場面が多く見られました。自分の事例を扱っているため、全員が当事者として主体的に意見を出し合っていて、それがとても印象的でした。

中村さん

昨年度(2025年度)は営業職の新入社員全員に実施しており、今後は全職種への必須化も検討されています。基礎・土台となるものは早い段階でしっかり習得しておき、今後のさまざまな業務に活かせるようにしたいという共通認識が私たちにあります。若手のうちに身につけさせたいという方針から、必須化に向けた検討を進めているところです。

研修が生んだ変化──「考える姿勢」の広がりと職種を越えた相互理解

——受講後、皆さまが実感されている受講者の変化についてお聞かせください。
中村さん

入社2〜3年目の社員と面談する機会があるのですが、「お客様や先輩に言われたことにそのまま応えるだけでなく、もう少し立ち止まって考えられるようになった」という声を耳にするようになりました。「早く回答することだけを優先するのではなく、いくつかの選択肢を考えられるようになった」「お客様との会話の中で、もう一歩踏み込んだ質問ができるようになった」といった声を若手から聞きます。アンケートでも「書類の書き方が向上して評価された」「新しい視点を得られた」という肯定的なコメントが多く、当社の研修の中でも特に評価の高いプログラムとなっています。

土山さん

思考の幅が広がった、ヒアリングの引き出しが増えた、という声を受講者から聞いています。一方で「実践が難しい」という声が上がっているのも事実です。受講翌日からすぐに実践できるかというと、そう簡単にはいかないという声も正直なところあります。ですが、徐々に日々の業務に取り入れようとしている様子は感じていて、このことを前向きに受け止めています。

篠崎さん

付け加えるとすれば、日々の業務において失敗したことや腑に落ちなかったことを、改めて立ち止まって振り返る機会がなかなかない中で、この研修がそのきっかけになっているという点に意義を感じています。BOSCARというフレームワークが頭の片隅に残っていることで、何か課題に直面した時の考え方や受け取り方が変わってくれれば十分だと思っています。毎日意識して使わなくても、必要な時に「そういえばBOSCARでは」と思い出してもらえればよいと考えています。

——研修を対面形式での実施にこだわっていると伺いましたが、その理由と効果について教えてください。
中村さん

対面で実施することで、相手の表情や会話の間といった、文字情報では伝わりにくいものが自然に伝わります。現場の組織長からも「対面研修の方が受講者の理解が深まる」という意見があり、その方針を維持しています。

 

エンジニアやコーポレートスタッフの部門は、これまで対面で実施される研修を受講する機会があまりありませんでした。今回、全職種が同じ場に集まって研修を受けたことで、想定していなかった効果が生まれました。これまでメールでのやりとりが主だったメンバーが「このような考えを持って仕事をしているのか」と互いを理解する機会になり、営業もエンジニアの視点に気づくことができました。研修を通じて、職種を超えた相互理解につながったのではと思っております。

 

そうした経験から、「わからないことがあればまず話してみよう」「必要なら会議を設けよう」という声も出てきて、一つひとつの仕事の質を上げようという意識が現場に広がってきていると感じています。

共通言語として根付かせるために──組織全体に広がる人材育成の展望

——最後に、今後の人材育成の展望や、ITプレナーズへの期待についてお聞かせください。
土山さん

今受講している若手が5〜6年後にリーダー・管理職になった時、自分の部下に「この研修は役立つから受けてみなさい」と自然に薦められるような、組織内の共通言語として根付いてほしいと考えています。その道筋を現場との連携の中でどう描いていくかは、今後取り組んでいく課題です。

中村さん

ITプレナーズが提供している「フェニックスプロジェクト DevOpsシミュレーション研修」のような体験型で意外性のある研修は、受講者の印象に深く残ります。こうした変化球的でありながら本質を突く研修を、ぜひ引き続きご提案いただければと思っています。

篠崎さん

現場の声を聞きながら研修を組み立ててはいますが、職種ごとに「このような人材を育てたい」という明確なモデルがまだ定義できていないことが弊社の課題だと認識しています。その人材モデルを構築したうえで必要な研修を組み合わせていく、その過程でもご支援いただきたいと考えています。また、生成AIを業務にどう活用するかという点も、これから取り組んでいきたいテーマの一つです。

土山さん

アカデミー推進室として、個々の研修の評価にとどまらず、全社の人材育成をどう設計するかという大きな視点でも考えていきたいと思っています。経営層や現場との連携を深め、必要なスキルを明確にしたうえで、ニーズに合った研修を一緒に作っていけると嬉しいです。御社には引き続きパートナーとして伴走していただければ、大変心強いです。


お客様情報

社名 ユニアデックス株式会社
業種 情報通信
設立 1997年3月4日
資本金 7億5,000万円
従業員数 2,788人
ウェブサイト https://www.uniadex.co.jp/

研修について:BOSCAR 提案力強化ワークショップ

論理的分析手法「BOSCAR」を活用し、相手の要望や相談を表面通りに受け取るのではなく、その背後にある本質的なニーズを構造的に捉えるスキルを習得します。ワークショップを通じ、相手の真意に基づいた最適な判断や提案へと繋げ、一段上の信頼関係を構築するための実践的なポイントを学習します。


※取材は2026年3月に行いました。

取材:村尾唯 文:北原舞