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スクラムマスターの実務に役立つ!代表的な3つの認定資格と選び方を解説

2022.5.19

変化が激しく複雑性の増すビジネス環境において、顧客のニーズに柔軟に応え続けるため、ソフトウェア開発において注目されているフレームワークが、アジャイル開発手法の一つであるスクラムです。

近年ではITの開発現場だけでなく、さまざまなビジネスの現場においてスクラムの考え方が取り入れられるようになりました。

この記事では、スクラムの実践に役立つスクラムマスターの認定資格について、資格取得が注目される理由と、代表的な3つの資格である「Certified ScrumMaster®」「Professional Scrum Master™」「Licensed Scrum Master Training」それぞれの特長、資格を選ぶ際のポイントを紹介します。

スクラムマスターの認定資格が注目される理由

スクラムの原理原則を浸透させ、チーム全体が円滑にプロジェクトを行えるように支援する重要な役割を持つのがスクラムマスターです。

スクラムを導入する企業が増える一方、現場でスクラムマスターを任された方からは、見よう見まねでやってはみたけど「チーム運営が難しい」「実際に、メンバーにどんな働きかけをすればいいのかわからない」といった悩みの声がよく聞かれます。

そこでおすすめしたいのが、スクラムマスターの認定資格の取得です。実務において取得取得は必須ではありませんが、大きく3つのメリットがあります。

  1. スクラムの原理原則・正しいフレームワークがわかる
  2. 体系立てて学べるので、自分の足りない知識やスキルを網羅できる
  3. チームへの浸透を含め、より自信を持ってスクラムの実践に取り組めるようになる

スクラムマスターの認定資格に挑戦する過程で身に付けた正しい知識やフレームワークは、チームメンバーへの浸透やスムーズなチーム運営を助けてくれるのです。

スクラムマスターの認定資格を取得するには?代表的な3種類を比較

初めてスクラムマスターの認定資格取得を目指す場合には、主に3つの認定資格が代表的です。それぞれの特徴と受講費用・概要などを詳しく解説します。

1.Certified ScrumMaster®(CSM®) 

CSM®は、2001年に設立されたScrum Alliance®(スクラム・アライアンス)という認定団体が提供するスクラムマスターの認定資格です。3つの認定団体の中では最も歴史が古く、複数の研修実施団体によって講座が提供されています。日本での受講者・認定者数が多いのが最大の特徴です。

認定資格取得の流れ

  • 講義形式・グループワーク形式を交えた研修の受講が必須
  • 費用:20万円〜 30万円程度(研修実施団体によって異なります)
  • 研修費用に認定試験の受験費が含まれています(90日以内であれば2回まで受験が可能)
  • 試験の受験資格を得るには、研修受講の姿勢が加味されます

認定資格の有効期限

  • 2年間

試験概要

  • 形式:オンライン
  • 試験時間:60分間
  • 全50問の選択式問題。37問以上(74%)の正解で合格

CSMの合格には、研修中の受講態度も重要視されるため、注意して参加しましょう。Scrum Alliance®では、A-CSM℠(Advanced Certified ScrumMaster)や CSP®-SM(Certified Scrum Professional®-ScrumMaster)など、さらにスクラムの知識を深めたい方向けに上位資格の提供も行っています。

※詳しい情報やお問い合わせに関しては、公式サイト(英語表記)をご覧ください
https://www.scrumalliance.org/

2.Professional Scrum Master™ (PSM)

PSMは、Scrum.org(スクラムドットオルグ)が提供する認定資格です。

Scrum.orgは、Jeff Sutherland氏と同じくスクラムの共同創案者であるKen Schwaber氏によって、「正しいスクラムの普及」を目的に2009年に設立されました。現在は試験が英語のみの提供となっているため、日本ではまだ認知度が高くありませんが、世界に66万人以上の認定資格者を有する団体です。

資格を取得するには、「公認トレーナーによる研修受講からの受験」もしくは「試験のみの受験」の2通りの方法があります。

認定資格取得の流れ(公認トレーナーによる研修受講の場合)

  • 講義・グループワーク形式を交えた研修(現在は外国人講師のみ。ITプレナーズが日本語同時通訳コースを提供)
  • 費用:税込み22万円程度(ITプレナーズの場合)
  • 研修費用に2回分の試験費用が含まれています
  • 研修受講後、受験パスワードを受け取ります
  • 初回は14日以内に受験する必要があります。
  • 1回目が不合格の場合、追加料金なしで2回目の受験が可能(2回目は期限なし)
  • 2回目も不合格で、3回目を受ける必要がある場合は、Scrum.orgのサイトで受験パスワードの再購入が必要

認定資格取得の流れ(試験のみの場合)

  • 費用:150USドル
  • 試験のみ申し込みの場合、Scrum.org内で受験パスワードを購入します。期限はありません。

認定資格の有効期限(「公認トレーナーによる研修受講からの受験」「試験のみの受験」ともに共通)

  • 期限なし

試験概要(「公認トレーナーによる研修受講からの受験」「試験のみの受験」ともに共通)

  • 形式:オンライン
  • 試験時間:60分
  • 言語:英語のみ(Google 翻訳の使用が可能)
  • 全80問の選択式問題。85%以上の正解率で合格

認定資格の更新・維持費が必要ない点が上記2つの認定試験と大きく異なります。ただし、試験の問題数が多く合格ラインも高いため、しっかりとした対策が必要です。Scrum.orgの公式サイトではOpen Assessment(模擬問題)も提供されているほか、継続学習のためのコンテンツも発信されています。

PSMの上位資格には、Professional Scrum Master™ IIとProfessional Scrum Master™ III があります。

3.Licensed Scrum Master(LSM)

LSMはScrum Inc.(スクラムインク)が提供するスクラムマスターの認定資格です。

Scrum Inc.はスクラムの考えを最初に提唱した1人であり、スクラムの生みの親と呼ばれるJeff Sutherland氏が設立。2017年4月より認定資格がスタートしました。

2019年1月には、KDDI株式会社、株式会社永和システムマネジメントと米国 Scrum Inc.社の3社でScrum Inc. Japan合弁会社を設立し、日本国内での活動に特に力を入れているようです。

認定資格取得の流れ

  • Scrum Inc.が実施する2日間の事前研修の受講が必須(Zoomにて実施)
  • 費用:税込み22万円程度
  • 研修費用に認定試験の受験費が含まれています(研修受講後、30日以内の受講が必須)
  • 1回目の受験後、90日以内であれば無料で2回目の受験が可能
  • 3回目の受験より追加費用発生

認定資格の有効期限

  • 1年間

試験概要

  • 形式:オンライン
  • 全30問の選択式問題。75%以上の正解で合格

資格の有効期限は他に比べてやや短いものの、問題数が少なく合格率も高いため、初めてスクラムマスターの認定資格に触れる場合は取り組みやすいかもしれません。

※詳しい情報やお問い合わせに関しては、公式サイトをご覧ください
https://scrumincjapan.zendesk.com/hc/ja

スクラムマスターの認定資格を選ぶ際のポイント

資格の勉強や受験を通じて、スクラムマスターに関する体系的な知識を習得することは、今後の実務において大きなサポートとなるでしょう。

名前は似ている3つの資格ですが、試験の問題数や合格ラインなど、特長はそれぞれ異なります。それぞれの研修や試験内容において、比較検討すると良いポイントは下記のとおりです。

  • 研修開催のタイミング
  • 資格維持に必要な更新頻度は?
  • 自分(もしくは会社)がかけられるコストはどのくらい?
  • 試験問題や研修は実践的な内容か?
  • 試験の難易度は?
  • どのような経歴の講師が研修を教えてくれるのか?

これらのポイントを踏まえて、ぜひ自身の目的に合う資格を取得してみてはいかがでしょうか。

ITプレナーズでは、Professional Scrum Master™ (PSM)の認定資格に対応するトレーニングを実施しています。英語話者の講師に日本語の同時通訳を付けての受講も可能です。